普段何気なく触っている肌。

肌はいくつもの層が重なってできていて、それぞれの層に大切な役割があります。

私たちの目に見えるのは肌の表面だけですが、その奥には、肌が健康に美しくあるための仕組みがたくさん隠されているんですよ。

肌がどんな構造をしているのか、どのような役割をしてくれているのか、詳しく知っていきましょう。

肌の構造を知ろう

肌断面図

肌は大きく分けると表皮と真皮という層に分かれます。

表皮は肌の表面側にある層、真皮はその表皮の下にある層のことです。表皮はさらに基底層(きていそう)・有棘層(ゆうきょくそう)・顆粒層(かりゅうそう)・角質層(かくしつそう)という4つの層が重なってできています。

それぞれの層の中にはたくさんの細胞が存在していて、肌を美しく保つために働いているのです。表皮と真皮、この2つがどんな役割を持っているのか、もう少し具体的に見ていきましょう。

表皮の役割

表皮には主に、

  • 肌表面のうるおいをキープする
  • 肌の内側(真皮)のうるおいを閉じ込める
  • 紫外線、細菌、物理的な刺激などから肌を守る

といった役割があります。

表皮の仕組み① 角質層

表皮の一番上にあるのは角質層です。厚さはなんと0.02~0.3㎜しかありません。ですがこの卵の薄皮ほど薄い層が、肌を守るために重要な役割を果たしているのです。

角質層の中には角質細胞という細胞が並んでいます。この細胞がきれいに並んでいることで、肌のうるおいが蒸発するのを防ぎ、さらに外から刺激を受けた時にバリアとなってくれます。

ところがこの細胞たちがバラバラになると、うるおいはその隙間から逃げ、外からの刺激をそのまま受けてしまいます。これをバリア機能の低下と呼んでいます。

バリア機能の低下を防ぐために、働いてくれているのが細胞間脂質です。細胞と細胞の間の隙間を埋めて、細胞がバラバラにならないようにつなぎとめてくれている物質です。

レンガを固定するセメントを想像してもらうと分かりやすいかもしれません。この細胞間脂質の主成分となっているのがセラミド。水分を挟み込む性質があり、肌表面のうるおいをキープするためにも必須の成分です。

表皮の仕組み② ターンオーバー

先にも少し触れましたが、表皮は4つの層からできています。表皮の一番下が基底層、その上に有棘層、顆粒層、角質層という順で重なっています。

基底層でつくられた細胞は成長しながら少しずつ上に押し上げられていき、有棘層、顆粒層を通って最後は角質層へ到達。新しい皮膚として、うるおい保持や肌をバリアするために働きます。

それまで肌表面にあった古い細胞(角質)はアカとなって剥がれ落ちます。この一連の流れをターンオーバー(肌の新陳代謝)といいます。この仕組みのおかげで肌は生まれ変わることができます。

うるおい不足、睡眠不足、栄養不足などでターンオーバーが遅くなると、肌の再生や修復がうまく行われなくなり、次のようなトラブルが起きやすくなります。

  • しみ
  • くすみ
  • ごわつき
  • 痒み
  • 炎症
  • 肌荒れの悪化

また洗顔やピーリングのし過ぎでターンオーバーを無理やり早めてしまうと、細胞は未熟なまま角質層へ押し上げられ、肌表面で十分な働きができなくなります。

その結果、バリア機能が低下してトラブルが起きやすくなります。ターンオーバーのサイクル(細胞が新しい皮膚になるまでの速度)は人によって違いますが、一般的には1~2ヵ月と言われています。それよりも遅くてもトラブルに繋がりますし、早すぎても肌に良くないということですね。

真皮の役割

真皮には主に、

  • 表皮を支える
  • 肌にハリを与える
  • 肌全体にうるおいを与える

といった役割があります。

真皮にある細胞① コラーゲン&エラスチン

真皮を代表する細胞にはコラーゲンがあります。化粧品にも多く配合されている成分ですので、聞いたことがある人がほとんどだと思います。

コラーゲンはたんぱく質の一種で、真皮の約70%を占めています。網目のように張り巡らされていて、肌にピンとしたハリを与えてくれる物質です。

またコラーゲンといっしょに肌を下から支えてくれているのがエラスチンです。エラスチンもたんぱく質の一種で、コラーゲンの繊維をつなぎとめて支える役割をしています。

この2つの物質がダメージを受けたり、数が減少すると、肌のハリが保てなくなってシワやたるみが起きやすくなってしまいます。

真皮にある細胞② ヒアルロン酸

化粧品の成分の中で有名なヒアルロン酸も真皮で働く物質です。ゼリー状の物質で、コラーゲンやエラスチンの間で、それらが傷つかないようにするためのクッションのような役割をしています。

また最大の特徴は水分をキープする能力に優れていること。1gで約6Lもの水分を抱え込みます。ヒアルロン酸が真皮に十分にあることで、肌のハリを保てるだけではなく、肌全体のうるおいを保つこともできます。

ヒアルロン酸が不足すると肌の内側の乾燥が強まり、シワ、たるみ、痒み、ニキビ、ターンオーバーの乱れなど…さまざまなトラブルに繋がってしまいます。

真皮にある細胞③ 線維芽細胞

「線維芽細胞」あまり聞きなれない言葉ですね。

線維芽細胞(せんいがさいぼう)とは、真皮を構成するコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸をつくり出す物質です。美しく健康な肌をつくるために最も重要で欠かせない細胞と言っても過言ではありません。この細胞が減ってしまうと、ハリもうるおいも保つことが難しくなってしまいます。

また、減ってしまった線維芽細胞を直接補うことはできませんが、線維芽細胞を増やし成長させる物質を補うことは可能です。細胞増殖因子(FGF、EGFなど)が含まれる成分にはプラセンタが挙げられます。

これらの細胞は年齢を重ねるごとに数が減ってしまいます。また紫外線、ストレス、栄養不足などでも、うまくつくられなくなってしまいます。真皮の働きを保つためにも、これらを外から補給してあげることが大切です。

皮脂腺の役割

肌表面には皮脂腺というものがあります。そこから分泌されるのが皮脂、つまり油分です。この皮脂が、テカリやべたつきの原因になります。

特に男性は女性より皮脂の分泌が多いため、そういったトラブルが起きやすい傾向にあります。そのことをコンプレックスに感じている人もい多いでしょう。

ですが、皮脂は肌になくてはならないものなんですよ。皮脂の本来の役割は、汗と混じって肌に油膜を張ること。油膜はうるおいを閉じ込め、外からの刺激によるダメージを軽減してくれます。角質層のバリア機能と同じ働きをしてくれるのです。

多すぎてもトラブルに繋がりますが、悪者ではないことも覚えておきましょう。

肌の構造と役割についてのまとめ

肌の構造や仕組みは本当によくできていますよね。表皮と真皮を合わせても、厚さはわずか0.4~1.5㎜。その中に細胞がいくつもあり、それぞれが働くことで私たちの肌は健康に保たれています。汗や皮脂など、一見いらないように思えるものも実は肌にとっては大切な存在です。

スキンケアや紫外線対策不足、生活習慣の悪化などは、これらの肌本来が持つ働きを弱めてしまうことになります。

男性は肌を雑に扱いがちですが、清潔な若々しい肌を保つためにも、正しい洗顔や保湿、食事や睡眠の質の改善などを普段から心がけることが大切ですね。